[逗子店] 2021-01-13
こんにちはー!
寒さも厳しさを増して体調管理も難しくなってきています。
免疫力を高めて健康な毎日を過ごしていきましょう。
さて、本日は原点に立ち返ったお話です。
改めて「聞こえる」というのはどういうことなのか考えてみると、
いくつかの要因をあげなくてはいけません。
音は人間が感じ取るものであり、それが音というものの本質を複雑なものにしているとも言えます。
私たちが「聞こえた」と感じているものと、実際の現象はまったく違っていることもあるからです。
物理現象としての音を、私たちが音として聞くまでの3つの段階について考えてみます。
①物理的レベルでの認識
音そのものは空気の振動であり、物理現象として計測可能なものです。
これは物理現象ですから、騒音計などで測定することができるものであり、
Hz(ヘルツ)という周波数の単位や、
dB(デシベル)という音圧レベルの単位で客観的に表現することができるものです。
②生理的レベルでの認識
空気の振動が私たちの耳に届き、鼓膜を振動させます。
この振動が、耳の複雑かつ巧みな構造によって神経信号に変換されます。
つまり、物理的な音を、脳で処理するための神経信号というフォーマットに変換する作業を、
耳という器官が担っているといえます。
③心理的レベルでの認識
神経信号として伝わってきた音を脳が認識します。
ここでは非常に高度で複雑な情報処理がおこなわれているものの、
未だその内容については解明されていない部分が多々あります。
いずれにしてもこの段階で初めて、単なる空気の振動だった音は、
意味のある音として認識されるのです。
普段私たちが何気なく「音が聞こえる」と感じたときも、
このような複雑なプロセスを経て音を認識しています。
私たちが音を聞いているときに、
いかに心理的レベルの認識が大きな要素を占めているかがわかる現象に、
「カクテルパーティー効果」と呼ばれるものがあります。
多くの人の声でざわめいている立食パーティーの会場で、
私たちは隣の人と普通に会話ができますし、
注意して耳をすませば、少し離れたところのヒソヒソ話まで聞くことができます。
これをカクテルパーティー効果といいます。
こういう状況をテープレコーダー等で録音して後で聞き返してみると、
ざわめきと騒音ばかりで、誰が何を話しているのかさっぱりわかりません。
実際には私たちの耳もテープレコーダーと同じように、
周りの人々の声やざわめきすべてを空気の振動として受け入れているはずです。
にもかかわらず、聞きたい音だけを選び取って聞くことができるのは、
「耳からの情報を脳が処理する際に特定の音源の音を選別処理をする能力」
によるものと考えられています。
つまり心理的レベルの認識による処理によって、聞きたい音を選び取っていると言えるのです。
近年、聴覚系の情報処理だけでなく、
他の感覚からの情報も統合的に脳が情報処理することにより、
カクテルパーティー効果がおこっていることも明らかになっています。
聞こえるというものは、おそらく多くの人によって自然な現象ですが、
実は複雑で不思議な様々な効果によって生まれているものなのです。
大浦
逗子店 [
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