[久里浜店] 2024-01-07
今年は年明けから大変な年になってしまいました。
一日も早い復興をお祈り申し上げます。
今回は「なぜ難聴者の方は補聴器をしているのに距離が離れると聞こえないのか」についてお話ししてみたいと思います。
まずは20歳の方の平均聴力範囲です。赤い太い線は聞こえる限界点を表しています。もちろん個人差はありますが130dbは人の限界点です。
130dbを超えてしまうと耳の神経は一瞬で破壊されてしまいます。(ジェット戦闘機の発射時など)130db以下でも大きな音は長時間聞き続けると耳の神経は傷んでしまいます。イヤホンなどで大きな音で長い時間聞き続けると危険です。気を付けましょう。
真ん中辺にある〇と×の表は、ある難聴の方のやっと聞こえ始めるデーターです。
難聴者の聞こえる範囲は不快レベルを測るとで分かります。このやっと聞こえる値と不快に感じる値の間をフィッティングレンジと言います。
(20歳の方の不快レベルは本当は130dbより低いのですが分かりやすくするために便宜上130dbにしてあります。青線)
そして難聴者の方が最も快適に聞こえるところが上限と下限のだいたい真ん中辺にあります。
1メートルの距離で普通にお話をすると平均60dbから65dbの範囲になります。下にある青丸が1メートルで普通に話した大きさです。
もちろん難聴者の方は聞きやすいよう補聴器で増幅してありますので下にある赤丸の位置になります。
3メートル離れた位置で同じ声の大きさで話すと小さくなりますので上の丸の位置になります。難聴者の方は補聴器で増幅していますので60dbくらいになっています。問題は「小さな音がどこまで聞こえるか」です。20歳の健聴者の方は0db(正確には0dbHLと表記します。音が出ていないわけでは無く20歳の平均最小可聴値です。)まで聞こえているので3メートル離れていても余裕があります。しかし難聴者の方は最小可聴値まで残りわずかです。私たちが聞いているよりもはるかに小さく聞こえています。そのために聞き漏らしや聞き間違えを起こしやすくなります。3メートルと言うとわかりにくいですが平均日本家屋でいうと「隣の部屋から」と言うと分かりやすいでしょうか。
このような理由で難聴者の方が補聴器をしていても、離れた位置からの聞き取りが難しくなるわけです。
この点をご家族や友人が理解してあげて、難聴者の方とお話ししていただけるとスムーズに会話ができます。
補聴器のご相談は認定補聴器技能者在籍店、めがねの荒木 久里浜店まで。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さいとうでした(^^)/
久里浜店 [
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