[逗子店] 2024-04-24
こんにちは!
値上げが相次ぎますが、メガネ業界もまた値上げラッシュが続いています。
今日は、メガネの素材に使われているアセテート素材についてのお話しです。
メガネの素材は大きく分けると三つに分かれます。
① メタル枠。これはチタン製だったりステンレスだったりよくある金属のフレームです。
② セル枠。 これが今回のブログで取り上げるものです。アセテート、もしくはセルロイド製のキレイな色合いが特徴のフレームです。(他にはTR-90などもありますが割愛します)
③ 天然素材。 べっ甲や木材、シープホーンなど自然の素材を使用したフレームです。
セル枠で使用されるものにはセルロースアセテートとセルロイドがあります。
セルロイドは象牙の代替品として作られた過去がある素材で、磨くととってもきれいな輝きを放ちます。
ですが、アルコールで拭くとすぐに白くなってしまったり、燃えやすかったりするため最近ではあまり使われなくなっています。
アセテート素材はセルロイドの代替品として現在では多く使われています。アルコールにも強く、セルロイドのようにはすぐには燃えません。
そんなアセテートですが、何で作られているかというと綿花です。( https://japan.kisso.co.jp/about/about-a-acetate )
綿花、そしてアセテートはめがねの材料以外にも多くの使用方法があります。
アセテートは写真のフィルム、たばこのフィルター、衣服などのテキスタイル、ボタン、工業用のフィルムにも使われています。スーツやコートの裏地にも繊維としての使用がされることがあります。
綿花は、衣類、医療品(包帯やガーゼ、綿棒)、そして弾薬の材料になる素材の元としても使われます。
実際、フランスの公共放送であるFrance2では綿花の需要が高まっているという文脈で、衣類の需要の他にウクライナ戦争における弾薬の材料としての使用を取り上げていました。
また、2023年10月の記事( https://www.defensenews.com/industry/2023/10/16/french-firms-to-triple-155mm-ammo-production-boost-weapons-output/ )によるとフランスは2024年1月から155mm 砲弾の生産量を三倍(月間3,000発)に増産するとの報道や
世界の軍事費の増加(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240422/k10014429571000.html )といったことからも
軍需産業での需要は増えていることが分かります。
増産される155mm砲弾を使用するフランスのカエサル155mm自走榴弾砲 https://www.pinterest.fr/pin/armored-vehicles--6333255710868842/
https://www.sdki.jp/reports/cellulose-acetate-market/109621
上記URLを参照すると、セルロースアセテート、そして綿花はアパレルなどの成長に合わせてさらに需要が増加するものと思われます。
新興国がより豊かになり、アパレルに消費する余裕がこのさき生まれれば猶更それは加速していくでしょうし
このままウクライナやイスラエルでの戦闘、ミャンマーで起こっているような紛争も続けば弾薬、爆薬の生産でも綿花は使用され続けます。
そういった新興国の経済的な成長による綿花とアセテートの需要増加、戦争や紛争の継続などといった要因以外にも
日本円の価値の低下、市場規模の縮小といった要因が絡むと更にセルフレームの価格は将来的に上がってしまうかもしれません。
私たちに出来る事は少ないですが、選挙に行く、フレームの修理、セル磨きで新品の時のような輝きを取り戻す・・・
といった方法でお気に入りのフレームを長く使う事がこれから先は必要になってくるかもしれませんね。
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