TALEX社は、幕末から続く眼鏡レンズ発祥の地、田島町(大阪)で生まれました
国内有数の「眼鏡レンズ」生産拠点だった田島の歴史は古く、ルーツは明治時代にまでさかのぼります。
後に「レンズの始祖」と呼ばれた石田太次郎は丹波でレンズ研磨の技術を習得。田島村に帰り、村の人々にその技術を教えたことで眼鏡製造が田島の家内産業へ、当時の生産数日本一になるまでに発展しました。
このように幕末から続く眼鏡発祥の地 大阪田島で1938年、TALEXの前身である『田村レンズ製作所』を創業。レンズ研磨の技術の継承と他に負けない独自性を追求し磨き上げ、1966年、世界で初めて全面均整の光学的に優れたガラス製偏光レンズの開発に成功。TALEXは誕生しました。
そのレンズの良さが最初に認められたのは日本ではなく、ハワイ・マウイ島でした。余暇を楽しむ光に敏感な青い目を持つ白人たちの間で、“美しい風景がさらに美しくクリアに見える!”、”目が疲れない!”と大評判。ホノルルマラソン限定モデルを登場させるなど、ハワイの強い日差しに対する効果も既に実証済です。
その後、ロサンゼルスオリンピック指定サングラスにも採用され、アメリカ・カナダ・ヨーロッパ諸国の一流ブランドへ輸出を拡大していきました。
世界で唯一の雑光カットフィルターの繊細さは、ハンドメイドでしか表現できません。
雑光カットフィルターの製造から最終仕上げまで、自社工場で一貫生産しています。
雑光フィルターとは、レンズを通して飛び込んでくる紫外線や照り返しによる反射光など、有害な光だけを取り除き、目に優しい光だけを透過させる薄い膜状のフィルターのことを言い、一般としてその原料には染料系が使われていました。しかし、染料系のフィルターでは色の濃度が薄ければ薄いほど雑光を取り除く力が弱まるという問題がありました。
そこでTALEXは、独自の『雑光カットフィルター』にヨード系原料を用いることで高い雑光カット率と可視光線透過率を実現する事に成功。0.03mmという極薄のフィルターをレンズとレンズで完全に密着した状態で挟み込み、限りなく目に優しい視界を実現しました。
TALEX独自の『雑光カットフィルター』は、例えるなら、“光の空気清浄機”のようなもの。空気中にチリやホコリ・花粉などが飛び交っているように、光にも紫外線や太陽・照明の照り返しなど、直接目に触れることでストレスホルモンを上昇させる有害な雑光が含まれています。それらを取り除くのが『雑光カットフィルター』というわけです。
白内障をはじめとする水晶体疾患が猛威を振るう現代、有害な光から瞳を守るためにもっとも手軽で確実な方法として『雑光カットフィルター』の存在は様々な分野で注目を集めています。
TALEXは原料の調合から成型・染色・コーティング・偏光フィルターの製造に至るまで、すべてを自社生産にて製造しています。
気温や湿度、季節、天候によって薬品の配合を微妙に変化させるなど、徹底したこだわりがTALEXの“ものづくり”の基本。それらは全工程の60%以上が熟練した職人たちの目と指先によるハンドメイドという、効率追求型の生産方式とは相反する緻密な製造手法を採用しています。そして、レンズを作るプロセスと同等以上に品質管理を徹底。ほんの微細なキズやひずみすら決して見逃さないために、全工程で6000以上もの品質管理項目を設けると同時に、すべてのレンズにロット番号を付けて品質を管理。厳選した材料の仕入れから製造、販売、アフターフォローまで、全工程において責任が持てる体制をとっています。
そして他社には真似ができないTALEX技術の中核―それは独自に開発した「雑光カットフィルター」をレンズに直接はめ込むことです。
量産されている安価な偏光フィルターは扱いやすいように加工されていますが、TALEXが扱う薄さ0.03mmという驚くほどデリケートな「雑光カットフィルター」をレンズに合わせるには、想像を絶する高度な技術が要求されます。「ひずみ」「揺れ」「赤ぬけ」などを起こさないTALEXの偏光レンズ。目に優しい光だけを通す独自の技術は、長い年月の間に培われた職人たちの“技”によって生み出されています。
独自に開発した「高性能雑光カットフィルター」を使用したTALEXのレンズは、現在も日々改良を加え進化しつづけています。こうした技術や製法のこだわりは、短時間で仕上がる金型成型やプレス加工の量産製法では決して作り出せない「見え方の質」へとつながっているのです。